機能説明

自動車等の変速機に用いられるマニュアルトランスミッション（MT）やそのシフト操作とクラッチ操作をアクチュエーターなどで機械化したオートメイテッドマニュアルトランスミッション（AMT）では、走行中には減速比の異なるギヤ間でそれぞれの回転速度が異なっています。スムースに変速するためには、シフトチェンジの瞬間にギヤ間の回転速度を同期/シンクロナイズさせ同じにする必要があります。同期がうまくいかないと、シフトフィーリングが悪くなるばかりか、 ギヤ及びその周辺機構の損傷にもつながります。

シンクロナイザーリングはシフトチェンジの瞬間に相手ギヤのギヤコーンと呼ばれる部分に押し付けられ、摩擦によるクラッチ作用で回転速度を同じにする機能があります。そのため、シンクロナイザーリングには、様々な使用環境での数十万回ともいわれるシフトチェンジにおいて、耐摩耗性・耐焼付性・摩擦係数・強度・耐食性・放熱性が求められます。

機能説明

自動車エンジン等の出力向上技術として、ターボチャージャ（過給機）が広く用いられています。また、近年ではディーゼルエンジンのダウンサイジング等の省燃費対策としても注目されています。
ターボチャージャは回転軸上の一端側のタービンホイールを排気エネルギーで高速回転させ、他端側のコンプレッサーホイールが吸気を圧縮するように構成されています。

ターボチャージャの回転軸には高速回転時にタービン側からコンプレッサー側へ軸方向に移動する力（スラスト力）が作用します。そのため、回転軸上に固定されたスラストカラーとハウジングに固定されたスラストベアリングの間に油膜形成し、スラスト力を支持するスラスト軸受けが備えられています。スラストベアリングとスラストカラーは定常運転時では接触しませんが、20万回転とも言われる高速回転時にスラスト力が大きくなり摺動します。そのため、スラストベアリングには耐摩耗性・耐焼付性・強度・耐食性・放熱性が求められます。

機能説明

パワーショベル等の建機やトラクター等の農機には、油圧ポンプ及び油圧モーターが使用されており、油圧ポンプの機構は斜板式アキシャルピストンポンプが主流となっています。

斜板式アキシャルピストンポンプは、駆動軸に組込まれたシリンダーブロックが回転することで、斜板とシューで連結しているピストンが往復運動してポンプ作用が働き、バルブプレートの吸入・吐出ポートを介して油圧が発生します。
ピストンとシューの連結部は凸凹形状を加締めにより連結されており、ピストンの往復運動と斜板の回転運動に対して関節のような機能があり摺動が生じます。バルブプレートはポンプ内で固定されているため、シリンダーブロックの回転と荷重を支持するスラスト軸受けの機能もあります。

このようにシリンダーブロック、ピストン・シュー及びバルブプレートには、耐摩耗性・耐焼付性・強度・疲労強度が求められます。

機能説明

溶融した鉄鋼・非鉄金属を目的の形状に凝固させる鋳造プロセスにおいて溶融金属と接触し熱を奪い凝固させる部分をモールドと呼びます。

モールドは循環水を流す構造に設計されており、溶融金属の熱をモールドを介して循環水へ熱伝達させることで凝固させます。そのため、モールドには概ね高い熱伝導率が求められ、さらに高品質な凝固金属を得るためにはモールド全体で意図した熱伝達の設計が必要になります。

鋳造中はモールドの鋳造面側と水冷面側には温度差が生じ、鋳造面側表面に繰り返しの熱応力が発生します。温度差が大きいほどこの熱応力は大きくなり、疲労割れや変形により損傷や寿命の原因となります。

そのためモールドには溶融金属の温度に応じた高温強度・疲労強度・熱伝導率のバランスと水路構造設計が求められます。

機能説明

近年、半導体、液晶ディスプレイ、太陽電池等のエレクトロニクス分野や切削・研磨材や耐摩耗性材料の製作等の多くの分野に金属やセラミクス材料等の薄膜を形成するスパッタリング法が使用されています。スパッタリング法は、ターゲットと呼ばれる固体材料と基板を対向させて配置し、不活性ガス雰囲気下でターゲットと基板の間に高電圧を印加することで、高速度の原子やイオンをターゲットに衝突させ、弾き出された原子や分子により基板上へ成膜する物理蒸着法です。

バッキングプレートはターゲットの保持機能やターゲットの発熱に対する放熱機能の他、電極としての機能も求められます。さらに冷却水の水圧や熱応力に耐える必要もあるためバッキングプレートには導電性・熱伝導性・耐熱性・強度が求められます。

機能説明

上・下水道や一般配管に用いられる給水・止水のバルブや継手には黄銅・青銅の銅合金が多く用いられています。近年、鉛が人体に及ぼす悪影響から、水道水中への鉛浸出規制や、土壌汚染を防止すべく、材料中の鉛含有規制において世界的に各方面から厳しく規制されつつあります。

バルブや継手には水漏れが許されないため鋳巣等の欠陥を有さず材料自体の耐圧性に優れ、ねじ締結時等の応力に耐える強度が求められます。また、淡水・海水に接する部分では経時的に材料中の亜鉛がイオン化して溶出する脱亜鉛現象による脱亜鉛腐食に対する耐食性や上水道においては材料自体の抗菌性が求められます。

機能説明

当社所在地の地元商工会様よりご下命頂いた大鍋です。直径2,500mm、深さ450mm、重さ1,600kg、1回の調理で7,000食分ができる大鍋を熱伝導性と耐食性に優れた青銅鋳物一体型で製作しました。また、大鍋の大きさにマッチした鉄製のかまど(コンロ)も併せて製作しました。地元イベントで振舞われる大鍋料理では皆様に大変喜んで頂いております。