鉛レス摺動材
摩耗・焼付に強いオリジナル銅合金
摺動とは
摺動とは滑らせて動かす動作のことです。軸受けなどのように金属同士が擦れて摩耗する部品では、摩擦が小さく、接触部分・可動部分が滑らかに動く摺動性が要求されます。接触部分・可動部分の摩耗が進行すると、部品の精度の低下、破損焼付の現象が発生します。当社では、摩耗に強い摺動部材を使用環境に応じて提供致します。
摺動材としての銅合金
さまざまな摺動材
機械に発生する摩擦を和らげる摺動材料には金属、セラミクス、樹脂など様々な摩擦・摩耗特性の優れた材料が使用されています。摩擦・摩耗特性は使用環境、相手材の種類、使用条件などによって変動するものであり、一概に優劣をつけることが困難です。
当社のオリジナル銅合金は、摺動材として高荷重、高速回転においても優れたパフォーマンスを発揮します。
当社の銅合金が選ばれる理由
01
適度な耐摩耗性
単純に硬い材料であるほど摩耗しにくくなりますが、相手材へのアタック性も避けねばなりません。相手材を摩耗させないようにかつ自身の摩耗量を抑え高寿命化を実現する「適度な耐摩耗性」を備えています。
02
高熱伝導率
摺動時に発生した熱を効率良く放熱することで、摺動面温度の上昇を抑えます。摺動面温度の上昇は材料の膨張(変形)や、焼付きに繋がります。
03
鉄との非凝着性
同じ金属同士を擦り合わせると凝着するため、摩擦係数が高く焼付きやすくなります。異種金属であっても合金をつくりやすい金属同士では同様の現象が起こります。銅は鉄との相互溶解度が低く焼付きにくくなります。
04
耐食性
油圧機器内で腐食されずに優れたパフォーマンスを維持できます。バイオオイルに対応した材料もあります。
BM-9E:抜群の摺動特性を誇る鉛レス黄銅材
主に自動車用ターボチャージャや油圧建機のモーター用のバルブプレート等で使用されています。
当社では最高クラスの摺動特性を有しており、各摺動部品への展開が進んでいます。また環境負荷物質である鉛を含有しておらずRoHS指令やELV指令にも対応した材質となっています。
P-31C・CSM-20:あらゆる用途に対応
主に油圧建機の油圧ポンプ及びモーター用のシリンダーブロック・ピストンシュー及びプレート、自動車用トランスミッション等で使用されています。
強度・摺動特性・疲労特性のバランスに優れ、CSM-20はバイオオイルにも対応しています。
特性と実績
当社オリジナルの摺動材はJIS規格材C3604と比較して、材料強度・摺動特性に優れ、用途に応じたラインナップを揃えております。
材料特性(引張特性と摺動特性)
材質 |
引張強さ (N/㎟) |
伸び (%) |
摺動特性 | |
---|---|---|---|---|
耐焼付性評価 (焼付PV値N/㎡・m/s) |
耐摩耗性評価 (摺動痕深さμm) |
|||
C3604 | 430 | 28 | 23.7 |
0.5以上 (焼付) |
P-31C | 630 | 13 | 29.8 |
0.5以上 (焼付) |
CSM-20 | 640 | 18 | 63.5 | 0.10 |
BM-9E | 635 | 19 | 90 | 0.27 |
各材質の製品実績
材質 |
ピストン シュー |
バルブ プレート |
シリンダ ブロック |
自動車 部品 |
---|---|---|---|---|
P-31C | ||||
CSM-20 | ||||
BM-9E |
数値は大きい方が良好
数値は小さい方が良好
機械的性質